深夜に真正面からシェイクミックスを浴びた思い出
飲食店では欠かすことのできない衛生管理。マクドナルドでも、決められたスケジュールにのっとり、定期的に道具やマシンの洗浄などを行います。
その中でもわたしにとって特に記憶に残っているのが、シェイクを作るマシンの洗浄作業。夜間に行う店が多いこともあり、実際の作業を見かけたことがあるという方は少ないかと思います。
実はこのシェイクマシン、取り扱いの手順を誤るととても悲惨なことになってしまうのです。
そんな、あまり知られていない洗浄作業について、わたしの盛大な失敗談と共にお話しします。
※この記事は純粋な失敗談として執筆しておりますが、万が一問題がありましたらご指摘をいただき次第すぐに削除いたします。
実は大掛かりな、シェイクマシンの洗浄作業
クルーの中では「シェイク分解」と呼んでいたこの作業。
脚立を使い、大きなマシンの分解→洗浄→組立を一人で行うもので、一連の流れを終えるまでには数時間かかります。(シフト上で予め「シェイク分解」という別ラインが引かれる)
作業中はシェイクの販売をストップしなければいけないため、お客様になるべくご迷惑がかからないよう、わたしが働いていた店舗ではいつも平日の深夜に行われていました。
作業を担当できるクルーは限られてしまう
細かいパーツの取扱いや組み立て手順などを確実に覚えなければいけないため、何度もトレーニングを受けることを考慮すると、この作業を担当できるのは安定的に深夜シフトに入っているクルーとなります。
わたしは高校を卒業したあとフリーターとして働いていた期間があるのですが、この頃は
- 月:休み
- 火水木:深夜シフト
- 金:休み
- 土日:昼間シフト
というサイクルだったため、たまたまシェイク分解をトレーニングしてもらう機会がまわってきました。
多くのクルーが一度は経験する(らしい)洗礼を受けた
ベテランの先輩から数回のトレーニングを受け、気が付くとひたすら書いていたメモはかなりの量に。1回目のトレーニングから1~2か月ほど経った頃、ついに独り立ちの日を迎えました。
通常のクルー業務を数時間行った後、いくつもの道具を準備していざ作業へ。
分解の順序を間違えると、シェイクミックスが盛大に飛び散る
最初にマシンの動作を止めて、中に残っているシェイクミックスを全て排出します。脚立にのぼってマシンの上の蓋を開け、中のパーツを引き抜こうとしたときでした。
タンクに入っているシェイクミックスが、まるで爆発したかのようにそこら中に飛び散ったのです。
手元のメモにも残っていたのですが、正しい順序で分解していかないと、マシンの圧力の関係で中身が勢いよく出てきてしまうんだそう。
自分では順調に作業を進めていたつもりでしたが、わたしはどこかで手順を逆にしてしまっていたようで、マシンからの洗礼を受けたのです。
優しいMGRさんのフォローでなんとか後処理を終える
シェイクミックスはシェイクの素。原液は甘い匂いが強く、付着した部分は当然ですがかなりベタつきます。
事件の瞬間は何がなんだか分からずフリーズしてしまいましたが、はっとしてマシンの周りを見たとき、後片付けのことを考えて愕然としてしまいました。
もちろん、自分自身も真っ正面からシェイクミックスを浴びていました。たまたまこの瞬間はすぐ近くに他のクルーがいなかったため、誰かに助けを求めに行きたかったのですが、顔もユニフォームもベトベトすぎて身動きが取れない状態に。
ただ、ここで役に立ってくれたのは防犯カメラの存在でした。
事務所には防犯カメラの映像を映しているモニターがあったのですが、モニターの横で事務作業をしていたMGRさんがたまたまその瞬間を目撃していたようで、急いで店舗に降りてきてくれたのです。
驚きと笑いが混じったような表情をしながらも、手早く後片付けを手伝ってくれて、なんとかその場を収めることができました。
このとき、お客様が店内に一人もいなかったのは不幸中の幸いです。
自分で組み立てを終えたあと、一番目に飲むシェイクがご褒美になった
この失敗を経験したおかげか、2回目以降のシェイク分解はより一層慎重になり、一人でしっかりと作業を終えられるようになりました。
いつからかシェイク分解の日は、シフト終わりの明け方に、洗浄直後のマシンで作ったマックシェイクを買って事務所で一息つく習慣が。
洗浄後だからといって普段と味が違うわけでもなく、いつも通りのおいしさなのですが、無事に作業を終えられた安心感と共に、どことなく特別感を味わえる大好きな時間でした。